ちょっと豆知識
●「窓付き封筒」で宛名書きの手間削減
「窓付き封筒」って、聞いたことがありますか?
文字どおり、封筒に窓が付いている封筒なんですが、これが会社の事務をしている人にとっては、もはや欠かせない秘密兵器、いえ、便利グッズとなっているのです。
「窓付き封筒」を使えば、あら不思議。事務作業の手間がずいぶん省けてしまいます。手間が省けるだけでなく、他にも、思いもしない、いい事があるんです。まずは、読み進めていただきましょう。もちろん、窓付き封筒は、皆さんの手元によく届くものなので、目にする機会は多いと思います。でも、実際に自分が会社の事務で、また個人的に使うとなると、どう便利なのでしょう。どれほど事務効率がよくなるのでしょうか。ちょっとその前に、この「窓付き」「窓空き」などと呼ばれる封筒について、少しお勉強を。封筒には千差万別、数え切れないほどの種類がありますが、この窓付き封筒だけに焦点を当てても、たくさんの種類があります。
まず「窓の呼び名」は、セロ窓、ワックス窓、エコ窓、グラシン窓など窓の素材により、いろいろとあります。セロ窓はセロハン、ワックス窓は封筒の紙そのものを磨いて(ワックスして)透明にしたもの。エコやグラシンは、そのまま燃やすことも、リサイクルすることもできます。なお「窓の呼び方」はメーカーにより、種類が同じでも呼び名が若干違うので注意が必要です。
「窓付き封筒」の呼び名は、封筒のサイズをあわせて、例えば、長3の封筒にセロハンで作られた窓が付いていれば、「長3セロ窓封筒」といった具合で呼びます。
また、窓のカタチや大きさは、「セロ窓1号」とか「セロ窓5号」のように「◯号」と表記されます。
この窓については郵便物の規格を郵便局が定めています。簡単に言えば、窓の大きさは45x80mm以上で、透明度が80%以上あるものとなっているようです。サイズだけではなく、窓の位置にも規定があるようです。
前置きのお話はこのぐらいにして、「窓付き封筒」による事務作業の効率化ですが、
- 宛名書きや宛名シール作成の手間が省ける
- 中身の情報がダイレクトに見えるので、確認の手間がかからない
- 何より便利なので、作業をする人のモチベーションが下がりにくい
と言った利点があります。
宛名書きなどは手書きで出すのが一番丁寧なのでしょうが、たくさんの宛先を一枚一枚書いていると時間がかかって仕方ありません。ましてや事務処理の郵便物では、手書きをしている方が、不自然とも言えるでしょう。
また、宛名シールを作って、普通の封筒にペタペタ貼っていくのも案外、面倒です。シール用紙を買って用意しておく必要もありますね。
さらに宛名シールは濡れると、にじんだり、使えなくなったり。そうなると、せっかくの作業が台無し、一からやり直しなんてこともありそうです。
その点、封入される書類や帳票に、宛名などの情報をダイレクトに印字、封入するだけの「窓付き封筒」は、手間なし、失敗なし、です。宛名を印字した用紙に、お知らせなどの情報を印字することも可能ですから、用紙の無駄にもなりません。
窓は大きく、幅がもたせてあり、中に入れた用紙の印字部分が、外から見て隠れることもなく、収まります。印字位置を指定するソフトなども出ているようです。
その上、中が見えるので、封筒に中身を入れ忘れたりすることもなく、確認作業も省けます。特定の人に特定のお知らせなどを入れる場合にも、誰に宛てたものかわかるので、やっぱり、便利です。
でも「窓付き封筒」の何よりの利点は、作業者のモチベーションが下がりにくいこと。いちいちシールを作ったり、宛名を書いたり、中身を確かめたりするのは、思った以上に肩の凝る作業です。その点、窓付き封筒は、いらぬ手間がずいぶん省けて、ストレス削減、モチベーションを保てることにも一役買っているようです。
●「料金後納郵便」「料金別納郵便」で切手貼りの手間を削減
自治体や会社などからの郵便物の封筒に「料金後納郵便」や「料金別納郵便」って印刷してある封筒をよく見かけますよね。この後納・別納郵便は、とっても便利で、とってもお得。
この方法で郵便を出すと、いろんな事務作業の手間が省けて、場合によっては10%~30%の割引が受けられるんです。利用している方も、使ったことのない方も、その内容を詳しく知ることで、きっと、もっと有効活用できるはず。利用しない手はありません。
「料金後納郵便」は1カ月分の郵便物の料金を、翌月に一括払いができる郵便局のサービスです。口座振込や振替ができ、経理業務がすこ~し軽減されます。それだけでなく、いちいち切手を貼る手間が省けるので、毎月毎月の請求書やDMの発送に打ってつけです。利用の条件は、1カ月に50通以上の郵便物・荷物を差し出すこと、「料金後納郵便」と明記することなど。その他担保や、事前に郵便局への申請が必要となりますが、一旦始めてしまえば、ほんとうにラクチンです。
「料金別納郵便」は1度に出す郵便物の料金を一括で支払うことができる郵便局のサービス。これは封筒に「料金別納郵便」と記載することにより、一枚一枚切手を貼る必要がなくなり、経理や発送作業の手間が軽減できます。利用条件は、郵便物を1回に10通以上差し出すこと。支払いは現金ですが、郵便物の差し出し状況なども記録できます。
この「料金後納郵便」「料金別納郵便」の表示には、円形と四角形のものがあります。また、枠の下部2分の1に広告を記載しても良いことになっています。
サイズは、それぞれ、直径・縦横2~3cm。
会社などで封筒を作る場合には、会社の広告やイメージアップの手段として、このスペースを利用することも検討の余地ありです。
ちなみに、料金後納・別納郵便の割引率は、下記のとおり。
別納1回1000通以上で10% 3000通以上で15% 5000通以上で20%
後納1カ月3000通以上で10% 5000通以上で15% 10000通以上で20%
多少の条件があるので、郵便局への確認は必要です。
●「保存袋」の活用で書類整理
「書類の整理ならおまかせ」という封筒があります。
これはびっくりするぐらい便利な封筒です。薄っぺらな用紙の整理ばかりでなく、分厚い本から、大小さまざまな冊子、イベント用のノベルティなども入り、さらに、どこにどの資料を入れたかなど一目でわかる工夫も簡単にこなせるものなんです。
この封筒は、底や側面にマチと呼ばれる厚みのある封筒で、一般にマチ付き封筒や「保存袋」という名前で呼ばれています。
保存袋は、マチ(厚み)があるので、普通の封筒より、立体的でよりたくさんの書類を収める事ができます。また、一般的に閉じ口のベロ (フラップ)の部分と本体に玉ひもがついており、クルクルッと巻いてしっかりと封緘(ふうかん)することができるので、逆さにしても書類が飛び出すことがありません。
書類だけでなく、冊子や書籍を入れても余裕があり、たとえばイベントの資料だと冊子や書類、写真、またうちわなどのノベルティや薄いTシャツ程度なら一括して入れることも可能でしょう。
また、保存袋には色のバリエーションがたくさんあり、色別にカテゴリーを決めることもできます。オレンジは重要書類のたぐい、ブルーは出費書類、クリームは一時保管用など、アイデア次第で、とてもスッキリと整理が可能になります。年ごとや月ごとなど時系列にマトメるのも一つの手段です。
さらに保存袋は、何度も使えるように、しっかりとした分厚い紙などで作られているので、多少の湿気や濡れに耐えることもできます。資料類の長期保存用として、活用するのもいいかもしれません。
●「フタ糊加工」で封緘(ふうかん)作業の効率アップ
いろんな便利グッズがヤマほど並ぶ今どきでも、封筒を閉じるのにスティック糊などを使っていらっしゃる会社はありませんか?
不要になった紙を台紙として敷いて糊付けしたり、封筒のベロの部分にコロコロと糊テープを付けたり、1通や2通ならまだしも、10通、20通、ましてやDMや請求書など大量に送る場合は、時間とコストのロスが膨れ上がって仕方ありません。
そんな時に便利なのがコレ!フタ糊加工をした封筒です。何だかTV通販の言い回しのようですが、これが本当に便利で、事務作業の手間を省けるものなんです。
封筒のベロの部分にあらかじめ両面テープがついているものなら、剥がして引っ付けるだけ。1、2秒もあれば十分。あっという間に封緘(ふうかん)作業の完了です。
この封筒の糊のタイプには、「テープスチック」といって先ほど書いた「両面テープ」のタイプや、「ハイシール」といって本体部分に糊を付け、剥離紙を剥がして使うもの、「スチック」といってベロと本体の両方に特殊な糊をつけ半乾燥させたもの、「アラビア」といってベロ部分に切手のような糊をつけたものなどがあります。
ハイシールは半透明の紙、アラビアは糊の種類から名付けられています。
これらの呼び名については、統一されておらず、同じ糊加工をした封筒でもメーカーにより呼び方が異なっていたり、また、同じであったり、さまざまな名前で呼ばれています。
「テープスチック」は一般的によく使われており、乾燥しにくく、比較的長持ちするといったメリットがあります。
「ハイシール」は、両面テープタイプのテープスチックよりも、より剥がしやすいのが特徴です。
「スチック」タイプが剥離紙をはがす手間もなく、最も効率的ですが、糊の効果があるのは6カ月といったところ。
また、「アラビア」タイプは自動封緘のできる装置で使うことが多く、機器がなければ、水に濡らすのに手間がかかります。
でも、「どちらにしても私はセロテープ派で、そんなに手間も取らない」という方は、要注意。封筒をセロテープで止めるのは、相手に対して、失礼に当たります。重要性のある書類では、気付かれずに開封・閉じられてしまうなど情報ろうえいのトラブルを招く恐れもあります。
●「マーク印字」で判子押しの手間削減・コスト削減
封筒に「マーク印字」?なんのこと? ってなりますよね。
でも、このマーク印字が事務手間の削減、コスト削減のちょっとしたミソになるんです。
会社の事務用の封筒って、大きさや色以外に、さほど気にして買ったことも、作ったことも、また使ったこともない方が多いようです。
「うちの会社は小さいからオリジナルの封筒はいらないよ」「会社の封筒はあるけれど、社名と住所、電話番号が印字してあるぐらいかなぁ」といったところが大半です。
でも、封筒に印刷する情報をちょっと工夫することで、会社に有益なことがあるって知っていましたか?
オリジナルの封筒を作ったことがないという会社の方に聞いてみると、「印刷代が高くつくし、そうそう大量に使わないから」という答えが返ってきます。でも、実際には、オリジナルで作った方が市販の封筒を買うより、返って安く付いたりするのです。年間を通してみると案外たくさんの枚数を使っています。
「うちはもうオリジナルで作っているよ」という会社は、社名・住所・電話番号などだけを印字していては、もったいない気がします。
請求書を郵送する時はどうされているのでしょう? 納品書はどうでしょう?
せっかく作った会社の封筒にわざわざ「請求書在中」「納品書在中」などのハンコを押していませんか。朱肉・スタンプ台にハンコをつけて押印。それも案外手間がかかります。急いでいる時には、ハンコが傾いたり、歪んだり、また、にじんだり。先方さんにも、ちょっと失礼です。
あらかじめ必要な事項を封筒に印刷しておけば、そういった手間やチェックは不要になります。
また、次のように印刷内容を工夫することで、事務作業の軽減だけでなく、印刷の発注コストの削減も可能です。
例えば、
□東京本社
□名古屋支店
大阪支店
請求書在中
納品書在中
折曲厳禁
親展
というように、あらかじめ支店名や営業所、その他情報を印字しておくことで、□にチェックを入れるだけで該当の支店、用途の封筒として使えます。
これにより、支店ごと、営業所ごと、用途ごとに複数種類の封筒を作らなくてよくなり、印刷の発注コストがかなり下がるのです。
今まで封筒を印刷したことのない会社にとっても、「マーク印字」は、便利で、かつコスト削減にもつながるでしょう。支社や支店がなければ、社名、住所などとともに「請求書在中」などの用途を印字するだけでも十分に便利です。