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ちょっと豆知識

仕事で、プライベートで、日常生活の様々なシーンで私たちはあたり前のように封筒を使っています。郵送はもちろんですが、ちょっと便利な資料整理の代わりなんかにも。メールが日常的になった現代。封筒はひと昔前ほども「無くてはならないもの」ではなくなったと感じているかもしれませんが、ビジネスシーンを筆頭に今も昔も日々活躍中です。そんな封筒のあれこれについて、案外知らないことも多いのでは? まずは、その歴史からひも解いてみましょう。

1.紀元前から存在していた? はじまりは、粘土の封筒。

私たちが普段何げなく使っている封筒。その原型は、なんと紀元前2,000年、今からおよそ4000年も前のバビロニアにすでに存在していたって、知っていましたか? 

古代バビロニアは、貿易の中心都市。人やモノが行き交い、商取引における契約はもちろん、ありとあらゆる契約を結ぶことが盛んに行われていました。何しろ世はあの「目には目を」のハンムラビ王のバビロン王朝時代です。「契約」という概念が発達し、重要視された時代でもあったのです。そうした契約や公的記録をバビロニアの人たちは粘土板にくさび形文字で記しました。それらを薄く伸ばした粘土で包み、契約相手などに送ったのだとか。これが封筒のルーツ。いわば「粘土の封筒」ですね。

粘土の封筒は、包んだ後に、長期保存のため窯で焼かれました。外側の粘土の封筒を壊さない限り、中の文書を見ることはできません。文書を途中で盗み見られること、つまり情報漏えいを防ぐには、なるほど、なかなか良い方法であったと言えそうです。どちらかといえば「封筒」というよりも「ドキュメントケース」と言った方がその姿をイメージしやすいかもしれません。頑丈な粘土の封筒で守られていたからこそ、今日まで保存され、現代の私たちにも古代バビロニアの人たちがどのような文化で生活していたのかを知ることができるのですね。さて、古代バビロニアが残した封筒の中身には次のようなものもありました。

「契約に逆らう者は熱く溶けたアスファルトをかけられ、多額の銀を支払わなければならない」と、記されていたものもあったとか。さすが『ハンムラビ法典』の時代ですね。いずれにしても、封筒には中の文書を「守る」という役割が、その起源からあったようです。

2.イギリスの郵便改革が、封筒を世の中に広めた。

さて、それから3000年。十字軍遠征により12世紀になって、ようやく「紙」がヨーロッパにもたらされました。現代では欧米文化が世界をリードしていますが、十字軍の時代には、ヨーロッパよりも中国やイスラム圏のほうが文化の水準は、はるかに上でした。紙が中国で発明されたのは、2世紀の後漢の時代。日本には7世紀に、イスラムには8世紀に伝わりました。ヨーロッパに伝わったのは12世紀ですから、1000年もかかったことになります。ヨーロッパに渡った紙が「封筒」として利用されるようになるのは、それからさらに400年以上。いわゆる紙の封筒が登場したのは、16世紀から17世紀頃だと言われています。

封筒の歴史は、郵便の歴史とも言えます。では、現代のような郵便制度が整ったのは、いつごろからでしょうか。手紙や文書を誰かに届ける文化というのは、かなり昔からありました。例えば、日本でも平安時代には恋文のやりとりが盛んに行われていました。しかし、それらは使いの者や個人的に雇った者に届けさせるもので、制度としての郵便網が整備されていたわけではありません。国策としての郵便事業はヨーロッパではじまったと言われています。1516年にドイツ・イタリアの名門貴族フランチェスコ・デ・タシス1世が、神聖ローマ皇帝から命じられて郵便馬車のルートを整えました。これが制度としての郵便事業のはじまりです。この郵便馬車事業が画期的だったのは、ヨーロッパ全域を対象としてスタートしたことです。とはいっても、当初は公文書などの郵送に限られていましたが。

ところが、郵便制度のスタートと同時に封筒も広まった、というわけではありません。封筒が広く利用されるようになったのは、なんと19世紀になってから。1840年のイギリスにおける郵便制度の改革まで歴史を下ります。紙の封筒が登場してから、すでに2世紀以上もたっています。なぜ、これほどの年月がかかったのでしょうか。それは当時の郵便料金制度に原因がありました。当時の郵便料金は、便箋の枚数や送り先までの距離によって定められていました。封筒も1枚分の枚数に数えられ料金がとられるので、郵便料金を抑えるために人びとは封筒を使わず、便箋をそのまま折りたたんで封蝋(シーリングワックス)をした形で郵送するというスタイルが定着していました。そのうえ、そもそも郵便料金も高かったため、郵便の利用自体があまり広がらなかったそうです。

そうした問題に対して、イギリスのある青年が郵便制度の改革を訴えます。彼の名は、ローランド・ヒル。のちに「近代郵便の父」と称えられる人物です。そのころのイギリスでは、貴族だけでなく庶民も郵便を使えるようになってはいたのですが、料金の高さからあまり利用されていませんでした。ヒルは、郵便を誰もが気軽に利用できるように、料金の値下げ、重量制の全国一律料金化(今の郵便料金制度と同じですね)を断行し、さらに前納制を採用しました。それまでは、郵便物を受け取った人が料金を払う仕組みでしたが、それでは受け取りを拒否する人が後を絶たなかったそうです。前納制とは、つまり切手による前払いシステム。ここに、歴史上はじめての切手が登場しました。世界初の切手は、通称「ブラックペニー」と呼ばれています。枚数ではなく重量による新しい料金システムによって、人びとは手紙を封筒に入れることをためらわなくなっただけでなく、「手紙を保護して運ぶ」という封筒の役割を見直しました。これを機に、封筒の利用が爆発的に広がります。ちなみに当時の郵便料金は重量0.5オンス(約13グラム)までの料金が1ペニー(現在の金額で換算すると日本円にして1.54円)。「0.5オンスで1ペニー」というわかりやすさも、利用を広げたのかもしれませんね。

郵便改革から5年後の1845年、エドウィン・ヒルとウォーレン・デ・ラ・ルーが封筒製造機を開発。機械化によって封筒を大量生産できるようになり、さらに封筒の普及に拍車をかけることとなりました。

3.平安時代は手紙文化時代。封筒の原型も、すでにあった。

ところで、日本での封筒の普及はいつごろからはじまったのでしょうか。

ヨーロッパよりも早く中国から紙が伝わった日本では、手紙や封筒の発達も案外、早かったようです。大切な手紙や公文書などは文箱あるいは状箱と呼ばれる木製の箱に入れて送っていました。平安貴族たちの恋文は、「結び文」といってもっぱら木や花の枝に結んで送るのが雅とされていたようです。紙に香をたきつけることも、貴族のたしなみとされました。ほのかな香りで相手がわかるとは、なんとも雅ですね。文のやり取りが盛んだった平安時代。貴族たちはとても筆まめで、京の都では文使いたちが、ひっきりなしに通りを駆けていたといいます。「結び文」がカジュアルな手紙だとすると、正式の文は「立文(たてぶみ)」と呼ばれました。立文は、縦長に手紙をたたんで紙で包み、さらにその上から別の紙でくるんで上下を折り返したもの。この一番外側の紙を、「懸紙(かけがみ)」といい、現代の封筒のような役割を果たしていました。

いわゆる筒状の封筒が現れたのは江戸時代。江戸で町人文化が発達した文化・文政期(1804〜1830年頃)には、絵の描かれた封筒がもてはやされました。これを「絵封筒」と言います。当時は、「絵半切」といって絵柄の描かれた便箋に手紙を書き、絵封筒に入れて送るのが流行していたそうです。幾何学文様や花鳥風月など様々なデザインを競ったという絵封筒。便箋や封筒に絵が描かれているなんて、江戸時代の封筒はかなりおシャレだったようですね。

4. 薬袋も、ポチ袋も、封筒。現代の封筒事情。

イギリスの郵便制度改革により、封筒が身近な日常品になってからおよそ170年。今では私たちの身の回りには様々な封筒が存在し、用途に応じて選ぶことができるようになりました。その役割も郵送用だけではありません。例えば、薬局でもらう薬袋も、病院でレントゲン写真を入れて渡される袋も、ポチ袋やのし袋も、大きなものから小さなものまでどれも封筒。袋状でふたのついているものは、すべて封筒になるのですね。つまり、「中のモノを保護する便利な袋」が封筒と言えます。ずいぶん、活躍の幅が広がりましたね。

日常生活はもちろん、ビジネスシーンでも、様々な用途で活用されるようになった封筒。今では、素材も紙に限らずビニールやナイロン、化学繊維なども積極的に用いられています。その機能性の充実には目をみはるものがあります。機能性もさることながら、デザインや装飾に富んだ個性的なものまで千差万別。私たちは、用途だけでなく、送る相手や中身のことを考えて選ぶことができるようになりました。大切な文書を守ることから生まれた封筒。中のモノを保護する。送る相手のことを考える。そんな細やかな気配りが、こんなに多彩な封筒を生み出してきたと言えそうですね。

でも、使い方次第では、単なる脇役を超える存在となります。結婚式の招待状やバースデーカードなど、送る相手へ特別な想いを込めたいとき、封筒を工夫することでその想いを表現することもできます。美しい、または愛らしい、あるいはとてもゴージャスな素材や飾りで彩られた封筒など。封筒は、大切な手紙や想いを包んで守るだけでなく、その想いや気持ちをふくらませることもできるのです。そんな送り主の大切な気持ちがこもった封筒を開封する時、私たちの気持ちは喜びと期待にワクワクと高揚します。

私たちの生活を豊かに彩る封筒。積極的に利用してみませんか?